2008年3月の読書

[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで
 男のお洒落はディテール(細かな事柄)の集積です。ディテールを知るために学習が必要なのです。なぜネクタイ幅がそうなったのかは歴史的な理由が十二分に存在します。それを知った後に、たとえば8センチ幅のネクタイを締め、個性を表現することができるようになれば、自ずとお洒落は上達します。9センチの理由を知り、8センチ幅のネクタイを締めるのと、知らないままに8センチ幅を締めるのとでは、他人に対する印象はがらりと変わります。前者はそれ相応にスーツやシャツとのバランスに気を使うようになるからです。
[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで

 上は序文からの引用です。「スーツの手入れ方法をちょっと調べようかな」と軽い気持ちで手に取った私には重すぎる言葉です。このように全編を通して「男のお洒落」に関するディテールが満載です。その迫力に圧倒されて、役に立つのかなと感じる余裕はありません。
 最近私の印象ががらりと変わったのは、ディテールに精通したからです。太ったためではありません。

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

 筆者によれば、地頭力とは「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、「単純に」考える抽象化思考力だそうです。仮説思考力とフレームワーク思考はここ数年心がけていたので、いくつかの例題も抵抗無く解くことが出来ました。
 一方で「桁があっていればいい」的な推定は使いどころを間違えると、つめがあまくなるのですごく危険です。仮説思考に対する「検証」をいつどの精度でやるかは、上手く実践できていません。検証をしない仮説はただの思いつきですよね。

あなたもいままでの10倍速く本が読める

あなたもいままでの10倍速く本が読める

 先日読んだ勝間和代さんの本*1に影響されて、読んで見ました。セミナーは高いけど、本は図書館で手に入ったので。読書をする際に漠然と読むのではなく、目的意識を持って読む事、自分の常識と経験を利用して、何故同じなのか?何故違うのかを問いながら読むことが効率をあげるという主張です。かなり胡散臭いと思って読み始めた本書ですが、その点を改めて気がつき、その方法をいくつか記述してあった点で、価値はありました。備忘のために方法を要約しておきます。
  ステップ1:準備  目的を明確にする事
  ステップ2:プレビュー  本書の大枠をつかみ、キーワードを抽出する。これを5分以内に実施
  ステップ3:フォトリーディング  フォーカスをずらして本を見る事により、
        深層意識に内容が刷り込まれる
  ステップ4:アクティベーション
    その1:ポストビュー  質問を自らに問いかける。答えは探さない。
        プレビューとあわせて15分程度で実施
    その2:スーパーリーディングとディッピング  疑問に対する答えを探す。
        議論の流れを意識する
    その3:マインドマップを作る
  ステップ5:高速リーディング  最初から最後まで通して読む

 大部分は良いのですが、肝心のフォトリーディングの価値がさっぱり分からない。価値の有無を証明するのは難しそうですから、もうちょっと気長に試してみる事にします。某氏はセミナーに行くらしいので、感想をお待ちしております。

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

 かなり前から「積読」だったのですが、フォトリーディングを実践を兼ねて読んで見ました。広義のフォトリーディング*2はこういった自分の知識が半分以上を占める本には有効ですね。トータル1時間程度で読んだのですが、知識が補強できました。
 肝心の本書の感想は後で書きます。
アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

 今月はこれに一番時間をかけて読んだのですが、感想は後で。

*1:2008-02-09 - shodaiの日記

*2:フォトリーディングは前述のステップ1からステップ5までの全てを言う場合と、ステップ3をだけをいう場合があるようです。私が有効だと思っているのは前者の方